12月13日開催:木漆工芸作家 松崎 融の「木と親しむ木工講座」レポート

カテゴリ:プログラムレポート

12/13(日)、今年最後の木工講座が開催されました

今回の参加者は10名

木工講座初参加ということで、ノミや木槌を初めて使う方々も。

先月彫り終わった各々の作品に

松崎先生が漆を塗ってくださり

木彫りで仕上げた感動に加え、漆を塗って完成させた感動を手に取りながら実感していた様子。

初参加のみなさん、まずは先生からノミの説明。

そして、スケッチブックに作りたいもののイメージを書き

いよいよ、木を削り始めます

この一枚の分厚い木が器になる・・・

なんだか実感がわかない始まりだったのかもしれませんね

果たして、この木が夕方にはどのように変わるのでしょうか・・・

この日から新しい作品作りに入る方

何やら糸鋸で中をくりぬいています

みなさんがいっせいに並び、木槌でノミをたたきながらで削り始める

誰一人と同じ削りカスは出ないですし

誰一人と同じ削る音にはなりません

木の種類・固さ、刃物の選び方、削る角度、力の入れ具合

どれをとっても違うのです

削る手の握り方

ゴクリ・・・

固唾をのみながらファインダー越しに緊張感が伝わってきます

削ったその先に浮き出てくる木の模様

なんとも言葉では表現しづらい美しさです

初めての方々も見よう見真似で削り始めます

頭のてっぺんから手先まで・・・

緊張感のある

全身に力が入った様子が伺えます

時々ノミを持った手を木槌で叩いてしまうことも

経験されている方の手つきや構えを見にいく姿も見られました

じっと見つめる視線から

そっと生まれる会話

「私も始めた頃はよく手を打ってしまったし、いまだに叩いちゃうのよね…」

なんて会話も飛び交います

そこには・・・

小さな職人の世界が垣間見られたような気がしました

12月、少しずつ寒さが増してきた茂木ですが

参加者のみなさんの制作の手は止まらず

なんともまぁ、熱気がにじみ出てきています

-ガリ ガリ ゴリ♪

-シュッ シュッ シュッ♪

-スー スィー、スー♪

-コン コン コン♪

削り口を見ながらノミを変え

木槌で叩く力を変え

持ち方を変え

姿勢を変え

・・・

自分にフィットする削り方を探りながら

完成する作品をイメージしながら

ひたすら削ります

一人ひとりが

「こんな彫り方をしたいな」

「こんな形にしたいな」

「こんな飲み口にしたいな」

「こんなつかみ具合にしたいな」

「こんなふうに削ったら、食べやすいだろうな」

・・・

ひと削りにかける、真剣な思いが

削り節となって

音となって

伝わってきます

先生が参加者に伝える伝え方や

経験者の参加者が初参加者にアドバイスする姿

アットホームな雰囲気で時間が過ぎていました

講座の最後に先生から参加者へのメッセージ

日常にあるものをしっかり、じっくり見てみること

どんな形をしていて、どんな削り方をしていているか・・・

自分がどう使ってみたいか、どうしたいか・・・

常にそれを考えることが大事。

高価なものを見ろ、とかそういうことではない

よく、何かのおまけで付いてくるものだって、プロのデザイナーがデザインしたものなんだから
立派なものなんだよ

そこから自分の作りたいイメージを描くことが大事。

作品とは、

作り手の「こうしたい」「こんなふうにしたい」という「思い」を込めて作るもの

生きる上でも同じであること

ものづくりを人生に例えながらお話してくださいました

初参加の方々は、どうやら全身の筋肉がパンパンに張ってしまった様子。

「でも、慣れると力の入れ方のコツがわかってくるんでしょうね・・・」

なんてことをコメントしてくださいました。

ものづくりの楽しさ

ものづくりの深さ

それを先生から伝授された人が

ひとり、またひとり増えたようです

次回は1月24日(日)に開催します

ぜひ、「ものづくりの奥深さ」を楽しんでいただける方が増えることを楽しみにしています。

(小瀧 綾)



今回のものづくりスタッフ

講師:松﨑 融(まつざき とおる)

松崎融(まつざき とおる)

プロフィール

1944年 東京生まれ
茂木町在住 木漆工芸作家 国画会工芸部監査委員長
国画会とは : 創立精神である「創作の自由」をモットーに活動する総合美術団体。
毎年春に開催される「国展」は、同団体が開催する。

“一木をくりぬき、漆の着物を着せていく”これが私の仕事です。技術は出来るだけシンプルに、そしてその分自分の思いを沢山込めたそんな仕事をしたいと思います。 漆芸は、長い歴史の中で、現在の様に美しさを極めてきましたが、その一方で、漆本来の強さは忘れられてしまっています。 酸やアルカリに腐蝕しない強さ、長く土中にあっても残っているほどの強鞭さ、私はその強さを前面に出した仕事をしていきたいと思います。
形の美しさを求め、それに強くて美しい衣を着せ、更に人が使うことによって、より一層美しく艶やかになっていく器。力強さの中にも品格を合わせ持つ事、それが私の目標です。

スタッフ

コタ (小瀧 綾)   

posted by ハローウッズ at

2015-12-21

16:46:01