いよいよ決勝日を迎えた“Joy耐”。この日も快晴に恵まれたツインリンクもてぎは、気温も上がったものの、湿度は低く秋を感じさせる暑さとなった。グリッドウォーク、コース上での公開ブリーフィング、もてぎエンジェルによる宣誓とスケジュールは順調に進み、9回目のスタートを迎える。

グリッドについたマシンは84台。上位45台が第1グループ、それ以下が第2グループとなり、2つに分かれてローリングスタートで始まった。

ポール・ポジションから好スタートを見せた【#25 零1000Vスポターボシビック】がトップのまま1コーナーに進入。セカンドグリッドの【#83 HONDA NSX】、サードグリッドの【#15 シムスBSブレイズインプレッサ】、【#4 ワコーズDL植竹IDIトレノ】、【#18 バンビーノ常豊シビック】と予選順位のまま続いていく。続く2周目に、このレースのファステストラップとなる2分16秒239をマークした【#83 HONDA NSX】がトップに浮上。そのままレースをリードしていくが、真っ先に給油に入り、ポジションを落としていく。【#25 零1000Vスポターボシビック】も1時間経過を前にピットインし、徐々に『速さだけでは勝てない』“Joy耐”の本当の顔が見えてくる。

1時間が過ぎると燃費の良いマシンが上位に上がってくる。まず【#18 バンビーノ常豊シビック】がトップのまま周回するが、1時間40分が経過したところで最初のガスチャージに入る。ここでハイペースで走る【#25 零1000Vスポターボシビック】が再びトップに立つが、それも束の間。2時間が経過した時点で【#4 ワコーズDL植竹IDIトレノ】がトップを走り、【#1 城南安全設備メッカDL・EG6】、【#74 ホンダカーズ習志野鈴鈑シビック】が同一周回で続いていた。

レース中盤になるとピットインのタイミングでトップが入れかわるものの、実質は安定した速さと燃費を見せる【#4ワコーズDL植竹IDIトレノ】が2番手以下を引き離していく。4時間が経過すると【#4ワコーズDL植竹IDIトレノ】をトップに【#1 城南安全設備メッカDL・EG6】、【#98 ホクアイ@快洗隊シビック】と続いていく。

残り1時間となると、最後のピット作業を終えたチームが多く、順位が確定し始める。この時点で2番手と健闘していた【#5 パルスポーツみずほ薬局爺シティ】だったが、まだ最後の給油が残っていたためピットイン。ポール・ポジションスタートの【#25 零1000Vスポターボシビック】も残り40分で3番手まで追い上げてくるが、その直後に7回目のピットインで順位を下げる。

残り30分を切ると【#4 ワコーズDL植竹IDIトレノ】が2番手に3周差をつけクルージングに入っていく。2番手には【#9 日光WM前田商会EK9】が上がり、【#61 VerityメッカDLシビック】が3番手につけていた。しかし、チェッカーフラッグまで、あと僅かというところで【#61 VerityメッカDLシビック】がホームストレート場でストップ。この間、【#51 コチラレーシングwithマーズ】が3番手に浮上する。

09年もセーフティカーが入ることなく、天気も安定していたこともあり【#4 ワコーズDL植竹IDIトレノ】が最多周回数記録を更新する156周を走りきり“Joy耐”優勝を果たすとともに、“Joy耐”開催9年目にして初のHonda車以外の優勝車両となった。

「ペースも燃費も良くタイヤもタレなかったので勝つことができました。09年はチームが変わって、マシンも変わったけれど、08年よりポテンシャルのあるクルマに仕上げられましたね」と優勝請負人として加入し、見事、その役目を果たした富澤勝選手。富澤選手は08年に続き、個人として4度目の優勝だ。

2位に【#9 日光WM前田商会EK9】が3周遅れで入り、チェッカー直前にポジションアップした【#51 コチラレーシングwithマーズ】が3位でフィニッシュした。