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KV-40 車両解説KV-40 車両解説

競技車両の基本構成

参加車両は3輪以上とし、停止時・走行時にかかわらず自立できる構造であること。

全高 1.8m以下
全長 3.5m以下
全幅 1.7m以下
トレッド 0.38m以上
ホイルベース 1m以上

競技車両の基本構成

ブレーキ

安全に走行し確実にゴールするには、実は動力より大事なブレーキ。動力が弱くても車両を動かすことはできるが、ブレーキがきちんと作動しなければ、確実に停止することができず、追突や接触したりして、ドライバーが怪我をしたり、他のチームに迷惑をかけたり、チェッカーを受けることができない可能性もある。

ブレーキ機構としては、自転車のブレーキを流用しているところが多い。
ブレーキワイヤーによりホイールリムにブレーキシュー掴んで制動させるキャリパーブレーキやカンティブレーキの他、ディスクブレーキを使用しているところが多い。

ブレーキ

フレーム(車体骨格)・操舵装置

車両の中で、大本となる基本骨格のフレーム。自分で考え自分で設計。車両規則に合致した車両づくりをしよう。

車輪構成として、比較的単純な構造にできるため、2輪のフロントに操舵装置をつけ、リヤを1輪にしているところがほとんど。
最小半径10m以下の舵角を確保する必要があるため、前輪を左右にきってもカウリング等に接触しないだけの隙間が必要となる。上位チームでは、隙間をなくし左右の幅をコンパクトにし空気抵抗を最小限にするために2輪のフロントに操舵装置をつけず、リヤの1輪に操舵装置を取り付けているところもある。構造も複雑になり、技術的にはかなり難しいようだ。

ほとんどの車両は、パイプフレームを骨格として外装カウルを取り付けている。一部には、外装カウル自体をフレームとするモノコックフレームもある。製作予算や製作する環境によっても、使用できる材料や構造が限定される。車体を構成する材料として基本的なところは以下の物がある。

鉄フレーム
材料が入手しやすく、加工も容易なため、初心者でも扱いやすい。

鉄フレーム

アルミフレーム
鉄フレームに比べ重量が軽い事から断面形状が異なるものを使用したり、部材の構成を工夫してフレーム全体の強度をあげている。
トラスなどの構造や補強で全体の剛性を上げているところもあり、最も使用率が高い。

アルミフレーム

モノコックフレーム
強度の高い繊維を使用し、カウル全体や下半分のカウルをフレームとしているチームもある。
カウリングをフレームとするには、費用と高度な技術を要する。

モノコックフレーム

繊維強化プラスチック(FRP)

繊維強化プラスチック(FRP)は、ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れ強度を向上させた複合材料。
強度の高い樹脂繊維などで強化したガラス繊維強化プラスチック(GERP)や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などがある。
カウルの形状や軽量化ばかりに気を取られ、剛性もあまりなく、ドライバーが乗車すると車両がたわんでしまい、カウリングがしまらなくなったり、隙間が開いてしまい途中分解してしまうこともある。
緊急時にドライバーが中から脱出できなくなるため、外からガムテープで隙間を貼る行為はできない。
KV-2では最低重量が35kg以上となっている。基本骨格に剛性を持たせて、最後まで完走することを第1に考えよう。

電池

動力モーター

動力モーターの規定はないため、様々なものが見られる。
中古家電製品から流用しているものから、メーカーから市販されている電気自動車レース専用品なども見られる。
技術力の高いチームの中には、さらに電力から動力への効率をあげるため、市販品を手巻きで巻きなおしたりしているところもある。

モーターからホイールへは、チェーンを介して駆動を伝達しているところが多い。
チェーンなどの抵抗損失をなくし効率よく推進力とするためにホイール内にモーターが収納されているものもある。

協賛をいただいている「ミツバ」様からもソーラーカー・Ene-1用にモーターをはじめとした製品が販売されている。

ミツバ様EV関連ホームページへ

動力モーター

大会事務局から銘柄が指定された電池の単三形充電池以外、コンデンサーなどのキャパシタは使用できない。
1個あたり1.5Vの乾電池40個の直列・並列のつなぎ方によって、取り出される電流・電圧は異なる。
チームの考えやモーターの特性によって、接続方法や分割方法は分かれるところだ。
10本の直列を4列、20本の直列を2列、40本直列にする3パターンが一般的。
接続方法の他に電池40本となると重量と場所を取るので、その電池の収納方法も腕の見せどころ。
指定銘柄が使用されているか確認できるよう、電池の表面が見えるようにしておく必要がある。

電池がカプラーなどで容易に取り外しできるようになっている必要がある他、サーキットブレーカーの取り付け義務など詳細が車両規則に規定されている。
近年は、参加者に「Panasonic」様の協賛をいただき指定銘柄の乾電池や充電器が無料支給されている。

電池

電気配線

安全のために接続部分は確実にする。大会当日は雨の場合も考えられる。
通電するフレームなどは、露出しているケーブルが触れてショートしては記録も残らない。
各ハンダ部や接合部など露出しないようにゴムや樹脂で対策しよう。

電気配線

抵抗(フリクション)

動力が働いていない車両を手で押してみると、いつまでも走り続けられず、いずれ停止する。
車が自然に停止してしまうのは、抵抗があるから。
転がり抵抗、空気の抵抗など停止させる「抵抗」には様々なものがある。その他、電気を妨げる要素にもケーブルの太さや長さなどもある。

抵抗(フリクション)

転がり抵抗
車軸の中心がずれていても抵抗となる。タイヤのインチ、タイヤの幅、空気圧、加工精度…、転がり抵抗1つとっても、要素は様々。
ブレーキの遊びを多くするなどもっての外!ブレーキが効かなくて接触やコースアウトしては全て積み上げたものが水の泡。
あくまでも最後まで走りきり、チェッカーを受けなければチームの記録すら残らない。

電気抵抗
超伝導以外の全ての物質には、何らかの抵抗があることは電気を学ぶ上で基本。
抵抗値は、電気抵抗値と長さに比例し、断面積に反比例する。端子や接触部も完全でないと大きな抵抗になる。

空気抵抗
多くの車両の平均時速は50km/h以上。空気の抵抗もわずかかもしれないが、さらに上を目指すなら空気抵抗を減らすため車体の外観のフォルム形状も考慮してみよう。少しでも空気の抵抗を減らすために、様々な形状のカウリングが見られる。

空気抵抗

ドライバーの環境

狭い車両の中に長時間乗車するとなると、ドライバーには負荷が多い。そのためドライバー3名まで交代が可能。

ドライバーが痛みで集中力が途切れ、接触したりコースアウトしては記録が残らない。
ドライバーが着座する位置にクッションもない車両も多い。運転に集中出来るような環境を考えてみるのも方法の1つ。
フォーミュラーカーなどでは、発砲ウレタンを使用して、その人の背中や腰の形状に合わせて、シート形状を整えている。
ドライバーを取り巻く環境要素は、視界、光、温度、風、姿勢、体が当たる箇所、操作性等々、様々考えられる。

前が見えなくては、コースアウトも接触もしてしまう。車両はラジコンと違い、『Ene-1』は人が乗って運転するもの。
ドライバー目線を考えた車体づくりは入賞には確実に必要。特にロングディスタンスでは、一斉スタートし、速度も高く、抜いたり抜かれたりすることも多い。

ドライバーの環境

ドライバーの立場に立ってみよう
車両の製作にばかり気を取られ、ドライバーが実際に運転する場合の操作性や視認性の検証を忘れがち。
ドライバーの集中力を落とさないために視覚や操安定性など快適にすることもポイント。

レーシングマシンですら、車両が完成してみたら、ドライバーが着座するスイッチ類に手が届かないなどはよくある話。
フルフェイスヘルメットで寝そべるような姿勢の場合、ヘルメットのアゴ部分が視界を遮る場合がある。
実際に本番で使用する装具を身につけて、車両に乗って操作類や視界を確認してみよう。

ドライバーが安全に走りきることもポイント
電源管理やスピードコントロールの他、ドライバーは前後左右、周りの車両の動きも常に把握しよう。

雨天時、カウルつきの車両はドライバーが吐く息でウインドウが曇り、視界が悪くなる。
市販の曇り止めや撥水剤を使用し、曇り止めや雨天対策を行い視界を確保することは確実にゴールするためには必要。

競技では、競技車両同士が接触して、壊れても修理代は各自負担となる。
毎回決勝では5〜6台が、コースで停止しリタイヤする。また一度スタートしコースに出たら車両トラブルで停止しても、他の力を借りることはできない。
コースで停止したら、安全な場所でドライバー自身が車両を修理することができるので、車両に不安があるなら、最低限の工具は競技車両に載せておこう。

上位を狙いたい気持ちも高まるが、今まで皆で築き上げた成果が結果に結びつくように、まずは確実なゴールを考えよう。
本番の前に実際に開催されるコースを使用して試走会も開催される。ぜひ見学してみよう。すでに車両ができつつあるチームは試走会で実際に走らせ、作動や不具合の確認等本番に向けて準備を整えよう。

ドライバーの装備

ドライバーは上下完全につながったツナギ服が義務付けられる。
グローブは軍手以外の手袋、くるぶしまで隠れるような靴が必要となる。
ヘルメットは、規則書にあるJISやSNELLなどの規格適合品以上で、傷がないものを使用する。

ドライバーの装備

KV-Moto 車両解説KV-Moto 車両解説

KV-BIKE

競技車両の基本構成

KV-40のようにイチから設計製作する必要がなく、市販自転車を使用することから比較的簡単に参加できる。
規則によりホイールサイズとキャスター角は変更できず、20インチ以上の市販自転車を使用する。
タイヤなどもマウンテンバイク用のブロックタイヤでは抵抗となるため、オンロード用のタイヤと交換したい。

競技車両の基本構成

ブレーキ

安定度が高いディスクブレーキが装着されている車両をベース車両としているところが多い。

ブレーキ

フレーム(車体骨格)・操舵装置

フレームの軽量化はできず、サドルの高さを60cm以上としなければならない。
ペダルが不要となる事から、安全に走行するために足を置くステップを新たに設ける必要がある。
クラクション・ベルなども忘れずに取り付ける必要があり、カウルは装着することはできない。

フレーム(車体骨格)・操舵装置

動力モーター

ライダーの手が離れるとモーターの回転が止まる(モーターに電気が流れない)構造としなければならない。
KV-40に比べ、モーター回転から駆動チェーンまで減速させて取り付ける必要がある。
モーターから減速ギヤチェーンの取り回しなど考慮する必要がある。
構造上、ライダーの足付近にモーターやギヤ、シャフト、スプロケット、チェーンなどの回転体があるため、安全を考慮しカバーを取り付ける必要がある。

動力モーター

電池

電池40本で約1kgとなる。自転車に占める重量割合は大きい。モーターも重量が重い構成部品の1つ。
車両の重量バランスが悪いと操安性に影響があるばかりでなく、走行抵抗にもなるので、重量物は車両の中心近くに確実に固定したい。

その他、KV-Motoでは配線などが露出しているので、ハンドル操作したときに配線を引っぱられたり、ライダーが配線を引っ掛けたりしないように取り回しや配線固定にも念入りに配慮しておく必要がある。

電池

ライダーの装備

ヘルメット、つなぎ服の着用が義務つけられる。その他、くるぶしまでかくれる靴、肘当て・膝当てが義務付けられる。
特に、ライダーの足付近にモーターやチェーン、ギヤなどあるため、つなぎの裾は必ず絡まないようにしておく必要がある。

ライダーの装備

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