主翼
航空機の性能は主翼の特性によって決まるといっても過言ではありません。主翼の特性は、「翼型」といわれる主翼の断面形によって大部分が決定します。
図は通常の航空機の翼型とアクロバット機の翼型を比較したものです。アクロバット機の場合、上下の形がほぼ同じになっていることがお分かりになると思います。このような翼型を「対称翼」といいます。
対称翼の大きな特徴として、迎え角の変化にともなう風圧中心の変化が少ない、という点が挙げられます。通常翼の場合、揚力の作用する中心点=「風圧中心」は翼の迎え角によって前後に移動してしまいますが、対称翼の場合、機体の姿勢が変化しても風圧中心があまり移動しない、つまり先に述べた重心と揚力のバランスが変化しにくいということになります。これによってトリッキーな動きの中でも急激に操舵が重くなったりすることを防ぐことができます。また背面飛行を頻繁に行うアクロバット機の場合、適切な迎え角をとることで、通常姿勢と同じ揚力が獲得できるという点も大きな強みと言えます。ただし揚力発生の点からは効率が悪い(発生する揚力が空気抵抗と比較して小さい)翼型でもあります。
また翼型の最大翼厚点を前進させることで、大きな迎え角の際に失速が起きやすくなっています。これにより失速を利用した急激な姿勢変化を可能にするとともに、風圧中心を前進させることで重心と接近させる設計にもなっています。
直線翼
通常のプロペラ機の主翼には、通常「上反角」といわれる上向きの角度が付けられています。これによって、機体が横滑りした時左右の翼にかかる風圧差を作りだすことで、自動的に元に戻ろうとする力を生み出しますが、アクロバット機の場合、この上反角がなく、左右の主翼が真っ直ぐの、いわゆる直線翼になっています。横滑りの姿勢でも左右の風圧条件に差が出にくい、つまり、通常のプロペラ機と反対に横滑りの姿勢を維持しやすい性質になっています。またスパー(翼桁)も直線で構造がシンプルなため、同じ重量でより高い強度が確保できるとともに、組立/分解も容易になります。
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上反角のついた主翼
P-51Dの補助翼 |
直線翼
Extra300Sの補助翼 |