”オートボルテージュ”をはじめ、アクロバット飛行に使われる飛行機は、一見普通のオーソドックスなプロペラ機に見えますが、通常の飛行機ではまず行わないような運動をするための、様々な特殊設計が施されています。その一部をちょっと見てみましょう。
バランスと運動性
ロールや急上昇など、クイックな運動が求められるアクロバット機。急激な運動を引き起こす操舵が、パイロットにとって、ストレスなく行えて、機体がそれに機敏に反応する必要があります。そのためには機体全体のバランスが非常に重要になります。
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| 一般的な航空機のバランス |
アクロバット機のバランス |
昇降舵と方向舵
機体の向きを変えるのに重要な働きをするのは方向舵と昇降舵ですが、アクロバット機をよく見ると、極めて大きな舵面を備えていることがわかります。各尾翼の2/3近くが舵面で占められており、これによって大きな転回応力を発生させています。また舵面の端は回転軸を中心に反対側に開くようになっています。ここに舵面と反対の風圧を受けることで、基本的に「人力」で行われる操舵をアシストし、容易にしています。
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| エア・レーサー(P-51D)の尾翼 |
アクロバット機(Su-31)の尾翼 |
補助翼
主翼後縁を見てみると、通常の航空機なら翼長の1/2〜1/3程度に収められているはずの補助翼が、アクロバット機の場合翼長の8割前後を占めています。これにより、強力なロール方向の応力を発生させます。舵面が大きくなれば当然操舵に係る力は大きくなりますが、下面には、これも異例なほど大きなバランサーが複数取り付けられており、方向舵と同様に風圧を利用して操舵を容易にする工夫が施されています。
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P-51Dの補助翼 |
Extra300Sの補助翼 |