
ドイツのエクストラ社が開発した曲技用航空機。ラジコン競技で名を馳せ、その後エアロバティックスのパイロットになったという異色のドイツ人エンジニア、ウォルター・エクストラが、彼の理想のアクロバット機を追求して作ったのがこのエクストラ300シリーズ。1988年に原型機が初飛行し、アエロバティックス選手権の常連であるEA-300Sは1992年に世に送り出された。カーボンファイバーと鋼管フレームの機体に、300馬力を発生する空冷水平対向6気筒のライカミング社製AEIO-540エンジンを搭載し、エンジンフェアリングは一見液冷エンジンと見まごうほどにスムージングされ、優れた空力特性を獲得している。主脚にも付け根のフェアリングや車輪を覆うスパッツなどを採用し、空気抵抗の低減を狙った丁寧な造作が、ドイツのクラフトマンシップを感じさせる。ヨーロッパ機伝統のレザーバックスタイルながら、窓枠のない一体型のキャノピーによって、ストレスのない視界を確保している。
最もよく知られたEA-300Sを筆頭として、複座型のEA-300L、2006年には翼形状や機体構造の変更や軽量化、通常型より50馬力も強力な350馬力を捻り出すライカミング社製サンダーボルトAEIO-580“Reno”を搭載したスペシャルバージョンも存在するEA-300SHP、Red Bull Air Race向けに高速性能や旋回性を重視した翼形状の変更機体構造の変更による軽量化に併せ、340馬力を捻り出すライカミング社製AEIO-580を搭載したEA-300SRなども製造されている。アエロバティックス競技会での活躍を期待し、機体構造、プロペラ、機体の操縦性を向上させるための翼形状のリファイン、通常型より強力な315馬力もしくは340馬力を発生するライカミング社製AEIO-580エンジンを搭載したEA-330SCも製作されている。
エンジンはライカミング社製、空冷水平対向6気筒。排気量はAEIO-540は8,860ccとスホーイのベリエフに比べるとやや小型。高回転型で、甲高い排気音が特徴。
胴体は、スチールパイプを溶接した基本フレームに一体成形されたカーボンファイバー製パネルを被せる構造。胴体後半部の一部のパネルは樹脂を含浸させたカンバスなども使われている。
| EA-300S | EA-300SP | EA-300SHP | EA-300SR | EA-330SC | EA-300L | EA-300LP | |
| 登場年 | 1992 | 2006 | 2006 | 2008 | 2008 | 1993 | 2005 |
| 全長(m) | 6.65 | 6.70 | 6.72 | 6.70 | 6.72 | 6.96 | 6.96 |
| 翼幅(m) | 7.50 | 7.50 | 7.50 | 8.00 | 7.50 | 8.00 | 8.00 |
| 全高(m) | 2.62 | 2.62 | 2.55 | 2.50 | 2.55 | 2.62 | 2.62 |
| 主翼面積(m2) | 10.44 | 10.44 | 10.44 | 9.81 | 10.70 | 10.70 | |
| 乾燥重量(kg) | 620 | 630 | 620 | 550 | 620 | 672 | 660 |
| エンジン形式 | Lycoming | Lycoming | Lycoming | Lycoming | Lycoming | Lycoming | Lycoming |
| AEIO-540 | AEIO-540 | AEIO-580 | AEIO-580 | AEIO-580 | AEIO-540 | AEIO-540 | |
| エンジン出力(hp) | 300 | 300 | 315 | 340 | 315/340 | 300 | 300 |
| 超過禁止速度(km/h) | 406 | 406 | 406 | 406 | 406 | 406 | 406 |
| 最大巡航速度(km/h) | 293 | 293 | 293 | 293 | 293 | 293 | |
| 制限加重倍数(G) | +10/-10 | +10/-10 | +10/-10 | +10/-8 | +10/-10 | +10/-10 | +10/-10 |
| 横転率(deg/sec) | 360 | 380 | 380 | 340 | |||
| 最大上昇率(m/sec) | 16 | ||||||
| 離陸距離(m) | 120 | 105 | 130 | ||||
| 着陸滑走距離(m) | 180 | 180 | 180 | ||||
| 生産機数 | 2 |

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