
「熱気球ホンダグランプリ」は、熱気球による飛行の正確さを競う競技です。「飛行の正確さ」は概念上、設定されたゴール位置と着陸位置との誤差によって計測されます。しかし実際には、ゴールに参加気球がそれぞれ着陸するのは現実的ではありません。そこで、「マーカー」と呼ばれる重りを投下することによって着陸の代替とし、投下されたマーカーの位置と設定されたゴール位置との誤差を計測し、計測された結果と順位によりポイント(得点)を獲得し、ポイントの合計によって総合順位が決定されます。
「熱気球ホンダグランプリ」はチームによって争われる競技です。したがって、獲得したポイントは、特定の競技者ではなく、その競技者が属するチームに与えられます。
個別の競技は「タスク(任務の意)」と呼ばれます。タスクは規定上19種類あり、それぞれ異なる競技形式になっています。通常、1回の飛行(フライト)で複数のタスクが組み合わされて実施されます。どのタスクをどのような順番・組み合わせで行うかは競技委員長が決定し、各フライト前の「タスク・ブリーフィング」によって各チームに伝達されます。
気球競技は、「空間」と「時間」の二つの制限の中で争われます。それぞれの構成は次の通りです。
まず、大会を開催する広域の「競技区域」が設定され、すべてのタスクはこの競技区域内で実施されます(7.1)。競技区域内でも、競技エリアとして適当でない場所(湖、河川など)は「競技禁止区域」として指定することができ、この区域内に投下されたマーカーの結果は無効となります。(7.2)
その他、競技区域内には【図A】のようなエリア/ポイントが設定されます。
離陸の場所。大会主催者によって用意され、タスクによって一斉離陸が求められる場合に使用される離陸場所を「コモン・ランチ(ローンチ)・エリア」と呼びます(9.1.1)。また、タスクによってパイロットが任意に選んだ離陸場所を「個別ランチ(ローンチ)・エリア」と呼びます(9.2.1)。「コモン・ランチ(ローンチ)・エリア」の中もしくは付近には「コモン・ランチ(ローンチ)・ポイント」という「点」が設定され、この点が方角や距離などの座標となります。「個別ランチ(ローンチ)・エリア」の場合、熱気によるインフレーションを開始した熱気球のバスケットの位置が、「個別ランチ(ローンチ)・ポイント」となります(9.1.2, 9.2.2)
各チームがマーカー投下の目標とするべき「点」を「ゴール」と呼びます。通常、道路交差点の中点がゴールとして設定されます(II.11)。タスクによっては、大会主催者によってゴールが交差点以外に設定されることがあります。その場合は交差点の代替として、布製の大きな(直径10m)の×が用意されます。これは「ターゲット」と呼ばれます(12.5.2)。
ゴールの周辺に「採点区域」が設定されます。この場合、採点区域の中に投下されたマーカーのみが有効とされ、結果が計測されます。「採点区域」はゴールからの距離(半径)によって設定される場合・自然の地形や道路等を境界として設定される場合・「採点区域」=「競技区域」とされる場合などがあります。
上空を気球のような大型の物体が飛行した際、家畜などが恐慌を来し、所有者が思わぬ被害を被ることがあります。このような事態を避けるため、PZ(競技禁止空域)が設定されます。PZには、以下の3種類があります(7.3.3〜7.3.6)。
レッドPZ:競技禁止空域の上限高度が設定される場合(地上の家畜などへの影響を考慮し、定められる)
イエローPZ:離着陸が禁止される場合。
ブルーPZ:競技禁止空域の下限高度が設定される場合(航空交通の制限上定められる)
競技区域の中で競技に適さない区域(川・湖沼など)がある場合は、競技外区域とされることがあります。
競技外区域に落ちたマーカーは計測・採点の対象になりません(7.2)。
競技は1フライトに対し、【図B】の時間枠の中で実施されます(通常2時間程度)。
離陸を含めた競技開始の時刻です。一斉離陸が求められる場合には、「離陸時間」が設定されます(通常30分程度)。すべての気球はこの離陸時間内に離陸許可を申請し、離陸を完了しなければなりません。離陸期間前もしくは離陸期間を過ぎて離陸をした場合、ペナルティの対象になります(9.11)。
各パイロットは、「採点期間」内にマーカー投下を完了させなければなりません。「採点期間」を過ぎた後に投下されたマーカーは無効となります(12.16)。
マーカーが、すぐに発見・計測するのが困難な場所に落ちた場合、「捜索期間」内に発見し、計測を終了させなければなりません(12.14)。 
このページでの競技ルール概要は主に、“2002 MOTEGI Hot Air Balloon International Championship Competition Rules”および“2002 MOTEGI Hot Air Balloon International Championship Observer Handbook”を参考にしています。当ページの内容ははあくまでも上記資料に基づく解説であり、上記資料の文章・記述法と必ずしも一致しないこと、上記資料との記述内容の矛盾があった場合は、上記資料の内容が優先されることをご了解ください。文中および文末カッコ内の数字は、“2002 MOTEGI Hot Air Balloon International Championship Competition Rules”内の章・節を示します。
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