
空気の浮力で飛ぶ熱気球には、飛行機のような複雑な機構はありませんが、自重約300kgを支え、上昇・下降を容易に行うための様々な工夫が施されています。

【球皮(エンベロープ)】
バーナーで暖められた空気を閉じこめ、浮力を発生させる巨大な袋。立ち上がると直径17〜18m、高さ20〜25mに達します。
材質にはテトロンやナイロンなどが使用されます。
【ゴンドラ(バスケット)】
熱気球の搭乗部分。籐を編んで作られたものが一般的ですが、太平洋横断に成功した「パシフィック・フライヤー」のように、軽金属製・与圧式(地上と同じ気圧を保つ)などの特殊なものもあります。
籐製の利点としては、1)軽量であること 2)着陸時のショック吸収に優れていること などが挙げられます。
一般的には四角形または三角形、1m四方程度の底面で、2〜3人乗り。自重100kg程度です。
【ロードテープ】
気球全体の荷重を支える強化部分で、いわば骨組にあたります。縦方向のロードテープは天頂で「クラウンリング」と呼ばれる金属製の環によってまとめられていて、クラウンリングには「クラウンライン」と呼ばれるロープが付けられており、インフレーション時や着陸時の気球制御に使われます。
【スカート】
エンベロープの下方開口部で、バーナーの熱を受けるために、難燃性の素材でできています。
【スクープ】
バーナーの火炎やエンベロープに吹き込む熱気を風の影響から守る風よけです。


液化プロパンガスを燃焼させ短時間で大量の熱気を球皮内に送り込む装置。家庭用コンロの1000倍以上の出力があります。熱気球競技の場合短時間に大熱量を得る必要があるため、バーナーを2つ連結したダブル・バーナーがよく使用されています。
バーナーには口火となるパイロットバーナーのほか、次の2つの燃焼装置があります。
メインバルブを開くと、バーナー本体に引き込まれた液体プロパンガスはいったんコイルを通過し、バーナーが発生させる熱によってコイルの中で気化して高圧になったガスは、ジェットから噴出し爆発的に燃焼します。飛行中に主に使われるのは、このメインバーナーです。
2)ウィスパー・バーナーウィスパーバーナーはメインバーナーからのバイパスとして設置され、液体ガスを霧状に吐出させ、燃焼させます。そのため火力はあまり大きくありませんが、メイン・バーナーにくらべて、音が小さい(約1/2)のが特長です。地上の家畜や人に対し、燃焼音が脅威や迷惑となることが考えられるような場合は、このウィスパーバーナーが使われます。また、メインバーナーが故障した場合のバックアップ装置としての意味もあります。
(※ウィスパー:whisper=「ささやき」の意。)
写真のイギリス・キャメロンバルーン社製「シャドウ・バーナー」へはこちら
球皮は、型紙にしたがって断裁された生地を縫いあわせて作られています。球皮の最小の単位を「パネル」といい、パネル同士が縫い合わされて球皮の子午線に沿って分けられる縦長のパーツを「ゴア」といいます。このパネルやゴアの大きさや形によって、気球の形が決まります。パネルが横長の気球を「ホリゾンタル」、縦長の気球を「バーチカル」といいます。
またゴアが平坦なものを「スムーズ型」、ゴアが盛り上がってちょうどカボチャのように見えるものを「パンプキン型」といいます。


【シェイプト・バルーン】
通常の熱気球はいわゆる涙滴型をしていますが、イベントなどに使用される目的で、商品や動物、キャラクター等をかたどった球皮を持つ熱気球を「シェイプト・バルーン(Shaped Balloon)」と呼びます。熱気球ホンダグランプリの各大会でも、シェイプトバルーンによる体験搭乗が開催され、子どもたちに人気を博しています。
ただしシェイプトバルーンは、複雑な風の抵抗を受けるため、競技飛行には適しません。
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